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課題解決に挑戦する生産者を表彰する「ポケマルチャレンジャーアワード2021」を発表 9都府県の生産者が受賞、年度テーマは「一次産業の現場から、地球を持続可能に」 〜最優秀賞は「農業のエンタメ化」や「生ごみ問題解決」に取り組む生産者〜
2022.03.08
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生産者と消費者をつなぐ国内最大級の産直アプリ「ポケットマルシェ(ポケマル)」を運営する株式会社ポケットマルシェ(本社:岩手県花巻市、代表取締役:高橋 博之、以下「当社」)は、「地域」や「地球」の課題解決に向けて挑戦する生産者を表彰する「ポケマルチャレンジャーアワード2021 〜課題に立ち向かう生産者たち〜」を2022年3月8日(火)に発表しました。第1回目となる今回は、9都府県から10名の生産者が受賞しました。

 

 

【「ポケマルチャレンジャーアワード2021 〜課題に立ち向かう生産者たち〜」とは】
本アワードは、地域や一次産業、あるいは地球に存在する課題の解決に挑戦する生産者を、取り組みのインパクトやユニークさを踏まえて表彰するものです。「自由テーマ」と「年度テーマ」のそれぞれで、最優秀賞1名、優秀賞2名、特別賞2名を表彰します。

 

■    自由テーマ
地域や一次産業を取り巻く課題の解決に挑戦する生産者を表彰します。
■    年度テーマ 「一次産業の現場から、地球を持続可能に」
気候変動や、生物多様性の減少など、地球の持続可能性を脅かす課題の解決に挑戦する生産者さんを表彰します。

 

初開催となる今回は、約6,600名の「ポケットマルシェ」登録生産者を対象に、2022年2月2日(水)〜2月13日(日)の期間でエントリーを受け付けました。47件のエントリーから計10名の生産者が受賞にいたり、2022年3月8日(火)に授賞式を開催いたしました。

 

▲    授賞式の様子

 

【背景】
当社は、社会の持続可能性を脅かす「都市と地方の分断」の解消を目指し、生産者と消費者を直接つなぐ産直アプリ「ポケットマルシェ」を2016年9月より運営してまいりました。現在約6,600名の生産者が登録しており、生産現場のリアルな情報が日々当社に集まっています。

 

そのような中で、「生産者が直面する課題」や「課題解決に向けた生産者の挑戦」は、まだ世の中において広くは知られていないという現状があります。それらを伝えていくことで、消費者の方々が課題への理解をより深め、解決に向けた動きに「自分ごと」として関わるきっかけを生み出したいという考えから、本アワードを発表いたしました。

 

また、SDGsの達成に関心が強まる中で、地球が抱える課題を意識した生産者の取り組みを応援すべく、2021年の年度テーマを「一次産業の現場から、地球を持続可能に」としました。

 

【受賞生産者について】
下記の審査項目で当社内にて審査を行い、計10名の生産者が受賞にいたりました。

 

<審査項目>
・解決しようとしている課題の深刻さ
・取り組みがもたらすポジティブなインパクトの大きさ
・取り組みのユニークさ
・取り組みによって実現したいビジョンの明確さ

 

■    自由テーマ
最優秀賞: 坂尾英彦さん|Hennery Farm(千葉県銚子市)

https://poke-m.com/producers/8725

「農業のマイナスなイメージを変え、次世代に誇れる産業にしたい」という思いから、消費者とともに「農業のエンタメ化」に取り組む。ブランド野菜「アフロきゃべつ」「アフロコーン」の販売、アフロのカツラを被って行う農業体験、畑でのヨガ、古民家での農泊、規格外野菜の商品化など多数の取り組みを推進し、農園には年間500人以上が訪れる。地元企業とのコラボ商品販売、地元行政のワーケーション事業への参画など地域を巻き込んだ活動も行う。

 

優秀賞: 池田佳祐さん|健勝丸(和歌山県和歌山市)

https://poke-m.com/producers/170351


空き家を活用した漁家民泊施設『Fisherman’s Table & Stay 新七屋』を2021年8月に開設し、これまでに約30名が漁師町の暮らしを体験した。資源保護や魚価安定の観点から限界がある水揚げ増加以外の方法でも、漁業者が積極的に稼げることを発信することで、若手漁業者を増やしたいと考える。新型コロナウイルス終息後には、国内外から年間100組以上の宿泊者の受け入れを目標とする。「高い高齢化率と人口減少」「空家・空き地の増加」「漁業の衰退」という3つの地域課題の解決を目指す。

 

優秀賞: 江川正道さん | 株式会社エガワコントラクター(福島県喜多方市)

https://poke-m.com/producers/20


「人が離れて荒れた農地だからこそ、人が集まって発展させていく農地」をコンセプトに、農業景観の維持・鳥獣被害の低減・農の多面的機能の維持を図る目的で、地域に点在する耕作放棄地を農地へ再生。その農地で野菜の栽培と農作業体験を行う。さらに、その農地を新規就農者に継承することで担い手増加にも取り組む。これまでに耕作放棄地50ha以上を再整備し、全国各地から年間300人程度が農作業体験に訪れている。

 

特別賞: 賀川元史さん | Heartich Farm ハーティッチファーム(栃木県真岡市)

https://poke-m.com/producers/43840


都会の消費者にナスの苗を自宅で約1ヶ月間育ててもらった後、苗を預かり生育過程を報告しながら農園で育て、収穫後にはそのナスを食べてもらう「ナスの苗里親プログラム」を行う。実際に苗を育て、そこから採れた野菜を食べる体験をしてもらうことで、野菜に愛着を持ってもらい、農業の大変さや面白さを知ってもらうことが目的。体験を通して「農業関係人口」を増やしながら消費者の農業に対する壁を取り除き、農業への一歩を踏み出しやすい環境を醸成することで「就農人口の減少」という課題の解決を目指す。

 

特別賞: 則定希さん | うみのもり(鳥取県岩美郡岩美町)

https://poke-m.com/producers/72705


地域の活性化、漁業の発展を応援することを目的に、鳥取の板ワカメの魅力を様々な角度から発信する「ワカメ部」で活動。これまでに、6畳の大きさの「世界最大の板ワカメ」づくり、ワカメアクセサリーやワカメソングの制作、ワカメ落語などを行った。地域の人を巻き込みながら、ワカメ部で楽しい取り組み、面白い取り組みを進めることで、地域の関係人口を増やしていきたいと考えている。

 

■    年度テーマ「一次産業の現場から、地球を持続可能に」
最優秀賞: 鴨志田純さん | 鴨志田農園(東京都三鷹市)

https://poke-m.com/producers/4384


生ごみ問題の解決を目指し、各家庭の生ごみを農場で堆肥化して野菜を栽培し食卓へ届ける「サーキュラーエコノミー型CSA」を開始。2021年は37世帯が参加し、約4000Lの助燃剤削減に寄与した。今後は、150世帯まで規模を広げて、地域循環共生圏の好例にしたいと考える。公共コンポストの設置促進、堆肥技術者養成プログラムの実施、学校等での環境教育活動なども行っている。

 

優秀賞: 竹林諭一さん | 小松台農園(大分県由布市)

https://poke-m.com/producers/116


県内の貝養殖業で廃棄される貝殻を肥料化し、有機農業に活用することで、「近海の富栄養化」の一因となっている、「貝殻の廃棄」と「農地からの肥料分流出」という2つの課題に取り組む。これまで年間2t程度地域外から購入していた石灰資材のうち半分を、地域の資源に置き換えた。地域の未利用資源を有効活用し、地域内で循環させることで、外部に依存しない一次産業を創りたいと考えている。今後は、循環資材を活用した生産物を「豊の環」(とよのわ)という名称でブランド化する予定。

 

優秀賞: 笠井大輝さん | (株)RE- SOCIAL やまとある工房(京都府相楽郡笠置町)

https://poke-m.com/producers/335572


地球上の資源を有効的に活用しようという気運が高まる中で、ジビエ消費の促進により、獣害の抑制、地域の雇用の創出、生態系の保全、二酸化炭素排出抑制を目指す。狩猟・処理・販売までを一貫して行うことで、冷凍保存が主流のジビエ業界では初の「生ジビエ」を販売し、人気商品に。ドッグフードや鹿革ブランドも展開している。学生時代に創業し、現在24歳。

 

特別賞: 西村洸介さん | 西村養蜂場(和歌山県海南市)

https://poke-m.com/producers/108


採蜜した純粋蜂蜜の販売と、花粉交配や種蜂の販売を行っている。近年は温暖化による猛暑で採蜜量が減少してミツバチの飼育が難しくなってきており、「このまま温暖化が進んだ場合、地元地域で蜂蜜が採れるのか」という危機感から、ミツバチと共に飼育場所を移動して養蜂をする「移動養蜂」を開始。2021年6月末から300群のミツバチと北海道へ移動し、150群の増群に成功した。

 

特別賞: 山浦昌浩さん | 株式会社アグレス(長野県南佐久郡南牧村)

https://poke-m.com/producers/316478


規格外であることなどが理由で収穫・出荷の途中で廃棄されていたほうれん草を加工し、「野辺山ほうれん草カレーペースト」を製造・販売している。2021年の販売量は約6000個で、捨てられていたほうれん草約1.2tにあたる。付加価値をつけて無駄なく流通させる取り組みを通じて、農家や消費者に食品ロス問題を自分ごとにしてもらいたいと考えている。今後、新商品の開発も予定。

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