2020.7月 30

【ごにょスタ】生産者と消費者がつながることの意義とは | ごにょスタ#2 ダイジェスト

ポケマルの公式YouTubeチャンネルでは、『ごにょスタ』という番組を配信しています。 …ごにょスタ?? それは、ポケマルをご利用くださっている生産者さん・ユーザさんをポケマル代表の高橋がお招きし、美味しいお酒とポケマル生産者さんの食材を味わいながら、ごにょごにょと語り合う番組です。ポケマルが大事にしている「生産者と消費者のつながり」とはどのようなものなのか、番組内での実際の交流を通して窺い知ることができます。 今回は、2019年夏に公開した第2回目のごにょスタをダイジェスト記事でお届けします!
 

はじめに

「おばんでございます。」 高橋の挨拶からスタートした、ごにょスタ第2回。 ゲストは、秋田県山本郡八峰町で漁師をなさっている山本太志さん。(ポケマルでの生産者ページはこちら) そして、山本さんから幻のガサエビを購入されている、ポケマルユーザのはつみんさん。 今宵、おつまみとしてテーブルに並んだのは、贅沢な食材たち。 山本さんが厳選して持って来て下さったコヤマエビ(ボタンエビ) 東京都三鷹市・鴨志田純さんの旬のきゅうり。(生産者ページはこちら) 静岡県静岡市・吉川昌文さんわさび加工品4種セット(わさび漬け・わさび味噌・わさび茎三杯酢漬け・わさび入り海苔佃煮)(吉川さん生産者ページはこちら) ここから、今夜のテーマである、生産者と消費者がつながることの意義について、鼎談形式でお送りします。

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幻のガサエビ

高橋:なおぴょんさんというユーザーさんから、「山本様、幻のガサエビが無事届きました。収穫量がすこし足らなかった事で沢山のボタンエビも入れてくださってありがとうございます」と6月6日に投稿がありました。 ってことは、なおぴょんさんは5月上旬に注文してたけれども、すぐにガサエビが獲れなかったと。そして、ようやく獲れたガサエビは不漁で量が足りないから、埋め合わせでボタンエビも入れたってことですか。   山本さん:そうそうそう。例年4月の下旬にはガサエビは獲れるはずなんで、4月の下旬に出品したんです。でも獲れなかったんです。   高橋:それが、生き物を相手にしてる漁業だってことですよね。考えてみたらすごいっすよ。4月の下旬にこの男がガサエビっていう幻のエビを出品し購入したが獲れないと。でもなおぴょんさんは待っててくれているわけですよね。   山本さん:そうですそうです。みなさんに「ほんと申し訳ない」っていう風に話をすると、常にみなさん「いつまでも待ってるから。気長に待ってるから」って。すごい嬉しいですもん。獲れなくて、歯くいしばって網掛けて、何回もやるんですけど、獲れないもんはやっぱ獲れないですもんね。 はつみんさん:だから「幻」なんですよね。 高橋:なんでポケマルに来るお客さんてそんなに客層がいいんですか? はつみんさん:くいしんぼなんじゃないですか? みんな。とか言って(笑) 山本さん:他の方はわからないですけど、私のリピーターの方は全員素晴らしい方ですね。 高橋:発送が1ヶ月遅れて、しかも注文したガサエビが半分しかないって言ってるのに、「こんなふうに料理しました」っていう投稿で、ごちそうさまの声を太志さんに伝えてる。 高橋:自分が獲った魚とかエビを、お客さんがこういう風に食べてる、っていう写真を見るのはどんな気分ですか。 山本さん:めっちゃくちゃ嬉しいです。ほんとに。このエビを全部剥くのはどれだけ大変か、よくわかるんですよ。この画像を撮るのも、どれほど手間がかかるか。 高橋:そして太志さん。はつみんさんが、実は今日、パンを作ってきてくださったようです! 山本さん:いただきます。...…うまい。最高にうまい。 高橋:いつもは自分がとってきたエビをはつみんさんが食べて、おいしいおいしいって感想を言ってくれる。逆に、自分のお客さんにパンを作ってもらうのって、どう? 山本さん:もう、嬉しい。すごい嬉しい。めっちゃ嬉しい。 高橋:たぶんね、見てる人にはガサエビってよくわからないと思うんですよ。初めて聞くっていう人も多いと思うんですけど、ガサエビってなんですか? 山本さん:正式名称は、クロザコウエビ。 高橋:これがポケマル上で大ヒットで。 山本さん:幻でとれねぇって言ってるのに、1日で30件も40件も注文をいただいた日にはどうしたらいいのっていう。 高橋:ポケマルの世界では規格とか安定供給はどうでもいいんですよね。たとえばきゅうりが曲がっていようが問題ないし、むしろ曲がっていても好きだっていう人もいるし。でも、今までの流通には、曲がっていちゃだめだっていうルールがあった。 だけど、やっぱり自然ってバラバラだし、お客さんの嗜好だってバラバラなので、バラバラ同士をくっつけられるのがC2Cの世界だと思ってるんですね。1ヶ月にこのぐらいの量を出品しないといけないということもなくて、好きなだけ、その時に穫れるものだけ出品する、でいいんですよ。 はつみんさん:たとえば、ポケマルで定期購入しているものってあるじゃないですか。私は大久保さんの烏骨鶏の卵を定期で買ってるんですけど、イタチにやられちゃったとか色んなアクシデントがあるんですよ。そうすると、定期では1か月に1回来るはずが、来ないこともあるんです。でも、それが本当のことだから。 高橋:そうですよ! それが自然なんですよ。

ごちそうさまを伝える

高橋:ポケマルをやってる僕が聞くのも変ですけど、コミュニティ機能を使って、自分で料理した写真を投稿しているじゃないですか。これはどういう気持ちで投稿するんですか。生産者に見てほしい? はつみんさん:最初は、自分が作ったものが一方的に相手に行って、何も返ってこないってつまんないだろうな、って思って。自分もそうなんですけど。食材って自分の子どもみたいなものじゃないですか、作品だったり。 それで、「こういうふうに料理したよ」と送ったらすごい喜んでくださったのが、ちょっとやみつきになっちゃって。 山本さん:私たちは魚を獲ってきても、いつ、誰の口に入っているかまで見ることはないじゃないですか。直接届けてそれを食べてくれて、ごちそうさまって投稿してもらえるのは、すごい嬉しいですよ。 はつみんさん:ただ、皆さんそうとは限らないとは思うので。やっぱりお仕事を主にしたい方もいらっしゃったり、コミュニティが得意じゃない方もいらっしゃるかと。そうすると、なんか重荷になったらいけないな、とか思っちゃったり。仕事の合間に見たりすると邪魔にならないかな、とかすごい考えたり。 山本さん:はー、そこまで考えたりするんですか! 高橋:そこも気になってた。やっぱり消費者とつながるのがいいって言いつつ、手間はかかるじゃないですか。それは苦にならないんですか。 山本さん:まぁ手が空いた時に見てますね。船を運転してる時とかは絶対見ないので。 はつみんさん:だからお返事が遅かったり、なくても、私は全然気にならないんですよ。 山本さん:それはもう仕方がないと思ってくだされば。

食材廃棄

はつみんさん:生産者さんとの距離が近いと、食材を廃棄するっていうのがまずなくなりますよね。 高橋:おお、今話題の。この前国会で通りましたね、食品廃棄を減らしてこうって。600万トン以上あるらしいです、今、日本人が1年間に捨てている食べ物。そして、そのうち4割は家庭で廃棄してる。どうして生産者との距離が近いと食品廃棄が減るんですか? はつみんさん:これだけ苦労されてるのをずっと見てるじゃないですか。例えば農家の方でも、植え付けから始まって、その様子をずっと見てると捨てられないですよね。 高橋:でもそれ、わかる。おすそわけとかもね。やっぱり想いを知ってる人からもらうと、捨てられないですよね。 はつみんさん:ガサエビも、殻まで全部使います。こないだはね、名古屋の煎餅でゆかりってあるんですけど、それに挑戦してみようと思って。あと出汁は絶対とります。 山本さん:やっぱりさっきも言ったんですけど、沖に出て行って、獲ったっきりなわけですよ、普通は。獲って誰かに預けて、その魚がどう食べられているかわからない。やっぱり自分で自信のあるもの、特にガサエビに関してはどう食べられているのかものすごい気になりますね。

ふるさと難民

ー山本さんの好きな漁師めしは? 山本さん:いろいろあるけど、絶対勝てないのはズワイガニの鍋。沖で、船の上でそのまま、味噌ベースのスープに生きてるカニをそのままぶっこむっていう。あと、いいのは生きてる状態のイカをそのまま食べる。 だからポケマルで心がけてやろうと思ってるのは、絶対鮮度だけは嘘つかないようにしようということ。でもやっぱり鮮度って日に日に下がっていってしまう。だからぜひ現地にも来てほしいですよね。 高橋:太志さんの船には乗ってないけど、『東北食べる通信』(「食べもの付き情報誌」として毎月食材と冊子が届く。HPはこちら)っていう雑誌で船に乗せてもらって取材をして、獲ったものをその場で捌いてもらったり味噌汁にしてもらったりしたことがあった。これはもうね、言葉では言い表せないです。記憶にこびりついてる。 山本さん:4、5年前に『東北食べる通信』で取り上げていただいた縁で、東京にいるファンの方々が、「明日一日休みなんだけども行っていい?」って連絡をくれて。もう俺、明日朝3時出港だから早く寝なきゃっていう時にね。 「行っていい?」ってどういうこと?って思わず聞きながら、「あ……まぁ……来れば?」って言ったんですね。そうすっと、その人、「じゃあ何時入港?」って。「6時」って言うと、6時に合わせて東京から来て、うちの船の荷揚げを手伝って、そのまんまうちに泊まって、魚を食って、次の日に帰るっていう。 その方々が言うのは、「親は田舎があったんだけども、私は東京生まれ東京育ちで田舎がない。だから太志さんみたいな人とつながれればと思って来ちゃいました」って。 高橋:これはふるさと難民って半分皮肉を込めて言ってるんですけど、今ね、帰省先がないって人が増えてるんですよ。川で遊ぶ機会すらない。だったら勝手にふるさとを作ってしまえばいい。実際、その方も太志さんを通じて、秋田をふるさとにしてるわけでしょ? 山本さん:はい。1年前は70人くらい来ましたね。うちが田舎と思えばいいんです

漁業の現状

高橋:海の話をしたいんですよ。今、漁師はとにかく海の疲弊について言うんですね。一つのキーワードとして「乱獲」がある。漁師が獲りすぎて魚がいなくなったっていうのは問題視されています。 で、実は秋田県は、ハタハタっていう有名なお魚を獲りすぎて、いなくなったので3年間禁漁したと。禁漁した結果どうなったかっていうと、ちょっと今から皆さんにお見せしたいと思います。 山本さん:これは1回の網で、この日は2回で帰りましたけど、もう何トンだろう。3トン、4トンくらいですかね。 高橋:ちなみに、禁漁前ってそんなにハタハタがいなくなってたんですか? 山本さん:いなかったですね。もう、1匹とか2匹とかしかいなかったです。 高橋:今、全国を回ってると、みんなね、魚が小さくなったって言ってるんですよ。 山本さん:乱獲のせいです。卵を産もうとしている段階で網をかけると、とてもつもない量の魚が獲れるわけですよ。でも、生まれる子ども自体も根こそぎ獲ってしまう。稚魚になることすらもできない。それを繰り返してきた結果、秋田のハタハタも枯渇してしまったし、鱈とかスケソウダラもほぼいなくなった。 高橋:こういう話って、名古屋で生活していて耳に入ります? はつみんさん:たしかに魚を買いに行くと、サンマとかイカとかがないですよね。え?っていうような値段で売ってたり。 山本さん:時化の状態での鱈漁とかハタハタ漁ってもう地獄なんですよ。2階に上がったら3秒後に落ちるみたいな、それを1時間半繰り返さないと漁場に着かないですもんね。そんな漁に繰り返して行って、ようやく獲って帰ってきたものに全然値段がつかないって、すごい許せない。自分は命かけて船出して一生懸命やってきてるのが、否定された気持ちになるわけですよ。 だから、もうなんだろう、魚の気持ちを考えてほしいなって。テレビで「今年のサンマ200円高いですね」って聞くと、サンマに謝れって思いますね。 高橋:それ大事なところで、乱獲は漁師の責任になってるんですよね。でも紐解いていくと、「とにかく安いものがいい」って言ってきた僕らが、漁師にたくさん獲らせるような漁業を生んできたと思っていて。漁師にも家族がいるので、安い魚で生きていくためにはたくさん獲らなきゃいけない。 なので、ポケマルだけじゃないですけど、たとえばはつみんさんが太志さんと直接繋がって漁業現場のことを知ると、殻も捨てないくらいちゃんと食べるし。やっぱ変わってくるじゃないですか。 山本さん:ちょっと考えてほしいのは、消費者のみなさんってお金で命を買ってるわけじゃないですか。私たち生産者は消費者の代わりに命を奪ってるわけじゃないですか。その事実に気づいてない人がすごいたくさんいる。 高橋:でも僕は、まぁはっきり言うとそれは生産者にも責任があると思っているんですよね。太志さんはこうやって表に出てきて、「魚獲るっつーのはこういうことだ!」って叫んでますけど、農家も漁師も「食べ物を作る、獲ってくるっつーのはこういうことだ!」っていうのを、消費社会の中に入っていって喋るべきだと思うんですよね。そして、僕らも知っていかないといけない。生産者と消費者が直接つながると、それが可能になるよね。

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この後も話はさらに盛り上がり、最後に漁師の仕事の面白さを熱く語っていただいていたところで、あっという間の1時間。 終わってから「まだ何にも話してねぇもん、俺。」と連呼されていた山本さんも、名古屋からお越しいただいたはつみんさんも、本当にありがとうございました。

おわりに

山本さんの驚きの経歴や漁師になった理由なども、本編動画ではじっくり語られておりますので、ぜひご覧ください!『ポケモンGO』ならぬ『ポケマルGO』なんていうワードも飛び出しております。 ごにょスタは今後もより進化して更新されて行く予定です。毎回個性豊かなゲストの皆様をお呼びして、盛り沢山な内容で配信しておりますので、他の回も合わせてぜひYouTubeでお楽しみください!
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